ここではタロットカード占いにおけるカードの読み方(リーディング)を説明したいと思います。
リーディングの重要性
私がタロット占いの修行しているとき、弟子同士で占いの勉強をする機会がよくありました。
その際、よく初心者の方は、タロットカードを正しい手順で展開するのに精一杯で、リーディングに集中できない傾向がありました。
そんなとき、タロット占いの先輩がリーディングを代わりにしてあげると、占い自体は当たっていることがわかることがありました。
つまり、初心者の方でも手順通りにやれば、占いとして意味のあるタロットカードを引くことができるのです。
そこで問題になるのが、『カードをどのように読むのか』ということになります。
リーディングの種類
リーディングの方法にはいくつかあります。
当サイトでは、「カードの意味をできるだけ正確に覚えて、基本に忠実にリーディングする」という方法を推奨します。
実際には、自分の直感や霊感の強さ、または目指したい方向性によって考えて頂ければと思います。
なお、どんな方法にしても、直感や霊感が多少なりとも関わってくる世界になります。私の場合は、「シャッフルやカットの段階で直感的な要素が入るため、リーディングについてはロジカルにやりたい」と思っています。
方法1. カードの意味の理解を中心としたリーディング
ライダーウェイト版のタロットカードには、大アルカナ、小アルカナともに、多彩な絵柄が書かれています。
この絵柄に描かれた象徴は、様々な秘教的な裏付けに基づいてデザインされています。
そこで一番スタンダードなリーディング方法は、「カードごとの本来の意味や、絵柄から通常連想される事柄を正確に読み取る」というものになります。
メリットとしては、シチュエーションやコンディションを問わず、安定した占いができる点があります。
デメリットとしては、霊感や直感を活かしきれない点があります。
方法2. 絵柄からの連想や閃きによるリーディング
カードごとの本来の意味を考えず、カードの絵柄から連想されるイメージを元にリーディングします。
メリットとしては、直感や霊感に優れる占い師が特性を活かせる点があります。
デメリットとしては、占い師の性格などに引っ張られ、幅広いリーディングができなくなる恐れがあるのと、安定性を保つのが難しいという点があります。
正位置と逆位置
タロットカードには上下があります。
展開したカードの絵柄が占者から見て正方向となる場合は、正位置と呼びます。
一方、占者から見て逆向きとなる場合は、逆位置と呼びます。
スプレッド(展開法)によっては、部分的に正位置・逆位置を無視するケースがありますが、基本的には上下を考慮してリーディングを行います。
正位置のカードのリーディング
カードの本来の意味がそのまま適用されます。
注意点としては、一見ポジティブに思われるカードであっても、度が過ぎれば注意すべき状況になってしまいます。
(太陽のカードは、正位置だと自己実現やエネルギーを表しますが、暗に自己中心的な考え方や、幼稚さの象徴を含んでいます)
ですので、「良いカードだ!」と決めつけて負の面を無視するという読み方は、浅いものとなってしまいます。
逆位置のカードのリーディング
逆位置に出たカードは、「正位置に対して、逆の意味を持つ」「正位置の負の面が顕在化する」「正位置の意味が弱まる」ということを意識してリーディングをします。
例えば悪魔のカードが出たら、「誘惑に負けていた自分が、徐々に正気を取り戻す」と読む考え方もあれば、「開きなおって陰の道を突き進む」という考え方もあります。
場合によっては真逆な解釈になるので、なかなか初心者泣かせな要素でもあります。
とはいえ肝心なのは、「自分の中で基本的なカードの意味を決めておき、その意味を練習の中でカードにも覚えてもらう」ということです。
ですので、まずは当サイトの「タロットカード辞典」を基本として覚えて頂ければと思います。
いずれにしても、正位置の意味と逆位置の意味が真逆になるということはありません。
例えば太陽のカードが出たら、正位置でも逆位置でも、カードのメッセージの方向性は変わりません。ただ、そのカードの意味の発現が、ストレートに現れるか、ネガティブに現れるか、という違いに過ぎません。(裏でも表でも、百円硬貨は百円硬貨です)
スプレッド全体の流れを読む
展開したタロットカードを眺めていると、初心者の方はついつい、「過去はこう」「未来はこう」などと、部分部分でリーディングしがちになります。
もちろん部分にこだわって深いリーディングをすることは重要なのですが、占いにおいては、「まずは全体的に良いのか悪いのか」など、大枠を捉えることが重要です。
一枚ずつカードを開いていくと個にフォーカスしたリーディングになりやすいので、先に全部開いてしまって、最初に総合結果のカードを読んだり、全体の絵柄の雰囲気を捉えることも有効です。
また、ストーリーでカードを読む方法も覚えていきましょう。
三枚引きなどは「過去」「現在」「未来」と時間の流れがあります。この場合、占う対象者の行動や考え方を絵柄と重ねてみて、自然なストーリーを想像しながらリーディングすると、よりよい占いになります。
ボトムカードとジャンプカード
カードを展開したときに、ヘキサグラム法のアドバイスの場所や、二者択一法の現状の場所には複数のカードが積まれることになります。(当サイトの手順の場合ですが)
こういった山の一番下のカードを、ボトムカードとして見ることで、深層心理を読み取ることができます。
また、シャッフルの途中で飛び出てくるカードがあった場合は、これをジャンプカードとして、ひとつのメッセージとしてリーディングすることができます。
とはいえ私の場合は、そもそもジャンプカードが出ないように丁寧にシャッフルすべきだと思っているため、ジャンプカードは採用しません。(このあたりは考え方次第ですね)
対人鑑定における注意
私自身はイベントや個別の鑑定などで、無数に対人鑑定をしてきました。
趣味でやられる方でも、友人や家族を占うことがあると思います。
そこで注意しておきたいのは、「占いの結果に対して真摯に向き合う」ということです。
占いというと、「良いことだけ信じればいい」と言われることがありますが、タロット占いに対してそういう姿勢で挑みますと、カードがなかなか協力してくれません。
基本的にはどんな結果であろうと、自分やご縁のある方を幸せに導くために、カードが示してくれたヒントを真摯に受け止めるようにしましょう。
あとは、「相手の幸せのために占う」という姿勢が重要です。この気持ちを常に持っていれば、口調や態度も丁寧になり無駄に相手を怖がらせることもないですし、なにより、タロットカードたちの協力を得て、当たる占いをできるようになります。
占い結果が厳しい場合は
タロット占いをしていると、なかなか重たい答えが出てくる場合もあります。
たとえば、「恋愛についての占いで、どう考えても成就しない結果が出てしまったが、それを伝えなければならない」というケースなどが考えられます。
そんなときは私の場合、「このままじゃ、ちょっと、ダメみたいですね……hahaha」と、できるだけ軽くして伝えます。(もちろん占いの内容によっては、無理に明るくせず、淡々とやった方がよいこともあります)
占者が深刻になってしまうと、軽く乗り越えられる問題が、無駄に重くなってしまう場合がありますので。
(占いの答えについては、ご本人がすでに覚悟していることが多いです)
自分のことを占う場合も、占いの結果は真摯に受け止め、そこからどのように幸福をつかみ取るかを真剣に考えればいいのです。
(真剣と深刻をはき違えないことがポイントですね)
このように、ネガティブなことを受け入れて、生きる力に転換することに慣れていくと、人生の達人になっていきます。
そういった考え方を伝えるのも、占者の仕事だと思っています。
自分のことを占う場合
タロット占いなどの卜占の場合は、自分のことを占うことはちょっと難しいです。
どうしても、願望や先入観が混じってしまい、そのような結果が出てくるからです。
ですので、自分のことを占う場合は特に念入りに邪念を払い、心をリセットしてから取り組むようにしましょう。
占いの有効期間
タロット占いは長期的なことを占うことに向いていません。
一般的には、長期的なことを占い際は占星術などと組み合わせるとよいとされています。
(私はタロット専門ですが……ときどき数秘術を使ったりします)
タロットカードで占える未来については、長くて数年、通常は半年くらいの賞味期限と考えておいた方がいいです。
どちらかというと、現在の状況を分析して、将来に備えるといったスタンスがよいと思います。